【感想】小説『窓ぎわのトットちゃん 新組版』/ 黒柳徹子

こんにちは、ぱんです。

この度、黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん 新組版』を読みました。

この記事では、本書のあらすじと感想をまとめています。

あらすじ、作品紹介

あらすじ

戦後最大のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』。単行本、文庫、絵本の国内の累計は800万部! 世界じゅうで愛読されています。本書はその新組版。字が大きく絵も鮮やかになりました!トットちゃんがユニークな教育のトモエ学園で、友達とのびのび成長していく自伝的物語。深い愛情で子どもたちの個性を伸ばしていった校長先生が、トットちゃんに言い続けた言葉「きみは、本当は、いい子なんだよ」は、今も黒柳徹子さんの宝物です。

Amazonより

作品紹介

  • 書名:窓ぎわのトットちゃん 新組版
  • 著者:黒柳 徹子
  • 出版社:講談社
  • 発行日:2015/8/12
  • ページ数:384ページ
窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫) / 黒柳徹子 【文庫】

読んだきっかけ

続編が話題になっているので、読んでみたくなった。

感想

校長先生の子ども想いなところ、トットちゃんの優しさに涙が出るほど心があたたかくなりました。

トモエ学園のように、自由にのびのびと過ごすことのできる学校が、今も存在しているといいな。

トットちゃんの優しさ

トットちゃんは本当に優しい心を持っているなあと思いました。

飼い犬のロッキーに耳を噛まれたのに、ロッキーが叱られないようにロッキーを庇ったり、

木に登ったことのない泰明ちゃんに、木の上からの景色を見せてあげようと必死になるところ。

自分のことは二の次に、相手のこと思える優しい子だなーと思いました。

校長先生の子ども想いなところ

校長先生の子どもに対する接し方は、とても心に響きました。

特にこのような考え方は素晴らしく、見習いたいと思いました。

  • 満足するまでやっていい。
  • 叱らない。けれど寄り添う。
  • コンプレックスを持たせない接し方。

校長先生がトットちゃんの話を4時間ずっと聞き続けた場面がありました。

トットちゃんが初めてトモエ学園に行ったときです。

この場面を読んだ時、真っ直ぐに子どもに向き合う姿勢が素敵だなと感じました。

また、トットちゃんが汲み取りトイレの中身を杓子で掬って庭にぶち撒けるシーンがありました。

とても衝撃的な光景ですが、トットちゃんはトイレに落としてしまったお気に入りの財布を一生懸命探していました。

それを見た校長先生はこう言います。

「ちゃんと戻しておけよ」

多くの大人は注意をするか一緒に手伝おうとすると思います。

ですが、校長先生はそのようなことはせず、トットちゃんの気が済むまで見守るのです。

結局、トイレが空になるまで探してもお財布は見つかりませんでしたが、トットちゃんは満足そうでした。

この校長先生の一言は、本当にすごいなと思いました。

きっと最後までやりきる力も身につくし、とにかくやってみよう精神も身につくのではないかと思います。

そして、本書の最後、空襲によりトモエ学園が燃えたときに言った言葉。

「次はどんな学校にしようか」

この言葉には驚きました。

校長先生は自分が大切にしてきた目の前の学校より、まだ見えぬ子供たちの未来に目を向けていました。

本当に子ども思いで、すごい先生だと思います。

コンプレックスを持たせない接し方

トモエ学園には身体に様々な事情を抱えた生徒がたくさんいました。

校長先生は、わかりやすく贔屓するようなことはせず、みんなに対して平等に接していました。

ですが、自分に自信を持ってほしいという思いで、運動会ではさりげなく小児麻痺の子に有利な種目を選んだり、海水浴ではあえて水着の着用を強制しませんでした。

実際に小児麻痺の泰明ちゃんは、身体にコンプレックスを抱えることなく大人になりました。

子育てをしたことがないのでわかりませんが、きっと子どもにはコンプレックスを持ってほしくないとは思っていても、持たせないように育てるのは大変なのではと思います。

そう思うと校長先生って本当にすごいなと思いました。

まとめ

心に響く場面が多くありました。

微笑ましいシーン、グッとくるシーン、すごいなと思うシーン、色々ありました。

また、校長先生の教育方針をもっと知りたいと思いました。

校長先生の教育は、褒める叱るでもなく寄り添った教育のように感じます。

校長先生のような寄り添ってくれる先生に子どもの頃に出会いたかったなー。