【感想】小説『何者』/朝井リョウ

こんにちは、ぱんです。

この度、朝井リョウさんの『何者』を読みました。

この記事では、本書のあらすじと感想をまとめています。

あらすじ、作品紹介

あらすじ

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

Amazonより

作品紹介

  • 書名:何者
  • 著者:朝井リョウ
  • 出版社:新潮社
  • 発行日:2012/11/30
  • ページ数:288ページ
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読んだきっかけ

以前読んだ、「桐島、部活やめるってよ」が自分の思う高校生がリアルに描かれていてよかったので、今回は就活生がテーマの「何者」を読んでみた。

感想

本作も大変よかった。

前作同様、「あーいるいる、こういう人」「あったあった、こんな出来事」となる場面が多く、共感の嵐だった。

この一文、面接が苦手な私としては共感でしかない。

そしてもうひとつは、そんなにたいしたものではない自分を、たいしたもののように話し続けなくてはならないことだ。

「何者」本文(p.41)より

本当にこれ。

面接官にも自分にも嘘をついているようなこの感覚、苦手。

あとこういったシチュエーション、よくあるーー。

まるでカウンセラーのように、面接官が三人揃って頷く。話をしっかりと聞いていますから緊張せずに話してごらん、という、リラックスを強要してくる。

「何者」本文(p.281)より

この「リラックスを強要してくる」って表現、すごくしっくりきた。

この状況、リラックスしなければならないという謎の使命感で、余計に肩に力が入っちゃうやつ。

そしてその状況に焦ってさらに緊張する悪循環。

意識してリラックスするって難しい。

朝井リョウさんの作品は、共感できる部分が多いからか、自分の周りで物事が起きているかのような感覚になる。

物語の世界に入り込むのとは、また少し違った不思議な感覚で面白い。

次は「何者」のアナザーストーリー「何様」を読もう。