【感想】小説『桐島、部活やめるってよ』/ 朝井リョウ

こんにちは、ぱんです。

この度、朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』を読みました。

この記事では、本書のあらすじと感想をまとめています。

あらすじ、作品紹介

あらすじ

映画化大ヒット青春小説!バレー部のキャプテン・桐島の突然の退部が、5人の高校生達に波紋を起こして……。至るところでリンクする、17歳の青春群像小説。第22回小説すばる新人賞受賞作。(解説/吉田大八)

Amazonより

作品紹介

  • 書名:桐島、部活やめるってよ(文庫)
  • 著者:朝井リョウ
  • 出版社:集英社 
  • 発行日:2012/4/20
  • ページ数:256ページ

読んだきっかけ

テレビ番組「あの本、読みました?」で見た朝井リョウさんのトークに惹かれ、この方の小説を読んでみたいと思い、デビュー作でありヒット作でもある『桐島、部活やめるってよ』を購入。

感想

10年前の学生がリアルに描かれていた。

本作の単行本初版(2010/2/5)と自分の学生時代が同じ時期だったこともあり、当時の記憶が鮮明に蘇ってきた。

本作で登場する流行のアーティストやファッションは世代ドンピシャで、「うわぁーなつかしい。」と思いながら読み進めていった。

ストーリーとしては、実花と母親の章がとくに印象的だった。

自分も母親のことを分かっていなかったことに気付いた瞬間、手紙の送り先が自分と父親宛だと知ったとき、涙腺緩んだ。

全体を通して、桐島について書かれている場面が少ないと感じた。

タイトルになるほどの主人公でありながら、全然登場しない構成になっている意図が気になる。

桐島自身が部活を辞めた理由を語る場面はなかったが、本書と自分が思う学生時代を考えると、周囲との温度差に耐えられなかったのではないかと思う。

次は社会人をテーマにした小説も読んでみたい。

作者とは5歳しか変わらないので、近い時期に就活や新入社員を経験した身として共感できるところが多いだろうという期待を込めて。